そもそも自分が抱えているこの重たい荷物はなんなのだろう、今向かっている荷物の届け先で本当にいいのだろうかといった疑問が生じてきたような状況をイメージしてみてください。
自分の中のあたりまえが揺らぎ、人生の中で迷子になってしまったような感覚におそわれることが、長い人生の中では時に生じます。
こういったとき、立ち止まって自分の過去を振り返ったり、これからのことについて考えたいというニーズが生じてきます。自分自身に焦点をあてる心理療法は、こうしたニーズにこたえるためのものです。
危機を乗り切るための心理療法や問題への対処を考える心理療法は、比較的短期間で具体的な目標に焦点づけたものであるののに対し、このアプローチは長い時間をかけて、じっくりと自分に向き合うためのアプローチです。こうした作業を進めていくためには毎週の頻度でコンスタントに面接を実施していくことも必要となります。
自分の抱えている荷物の荷ほどきをすると、時に思い出したくないつらい体験が想起されたり、自分の中の嫌な部分が見えてくることもあったりします。しかし、そうやって荷ほどきをしてみることで、自分にとって抱え続ける価値のある本当に大事なものが見えてきたり、自分自身について新たな発見が生まれます。
自分自身に焦点をあてる心理療法は、これまで無意識のうちにとらわれていた生きづらさから解放され、こころの自由を実感できるようになることを目的とします。
私がトレーニングを受けてきた精神分析的心理療法は、こうしたニーズにこたえる代表的な心理療法です。